広告や資料づくり、エンターテイメントなどさまざまな分野で欠かせない動画制作。企業や商品のイメージをわかりやすく伝えられることから、ブランディングの一環として動画を用いた広告を作成するケースも多いでしょう。この記事では、動画の種類ごとに、制作費用の相場を紹介します。
日本テレビアートが培ったノウハウとそこから生まれたサービスの概要、手掛けたデザイン事例を資料にまとめました。ぜひご覧ください。
動画制作は、主に企画、撮影、編集の3つの工程があります。全体の費用相場は一般的に安い場合で10万円~、高い場合では100万円以上と幅があり、内容によって費用が変わりやすいことが特徴です。ここでは、それぞれの工程の概要に触れながら、費用相場の内訳を紹介します。
企画とは、テーマや構成、プロジェクトの進行など、動画を制作するうえで指針となる項目を決めていくことです。動画のクオリティを左右する重要な項目であり、企画を手がけるプロデューサーや動画制作をまとめるディレクター、台本を制作する構成作家の人件費などが発生します。
発注者から動画の利用方法や目的、対象の商品などを提示してもらい、動画の内容や長さ、種類、ターゲット層、参考動画、公開日などを決めていきます。撮影の必要がある場合は、スタッフやキャスト、撮影場所・方法などのスケジュールもこの段階で作成します。
企画の費用相場は10万~50万円ほどで、内訳は以下のとおりです。
・プロデュース費:3万〜15万円
・ディレクション費:5万〜25万円
・台本作成費:3万〜15万円
撮影は動画制作のなかで最も費用がかかりやすい工程です。カメラマンやスタッフの人件費、撮影現場への移動費などがあり、規模や動画のジャンル、キャスティング、撮影場所・方法などによって費用相場は大きく異なります。複数日に分けて撮影する場合や遠方で撮影する場合や、スタッフ・キャストの人数が多い場合などはコストがかかりやすいでしょう。
屋外で撮影する場合は、撮影場所の選定や下見といったロケハン費用が発生します。社内紹介動画やスタジオでの撮影など、撮影場所がおおよそ決まっている場合は省略されるケースもあります。
撮影の費用相場は10万~100万円ほどです。しかし、動画の内容によって費用が変わりやすいため、相場を超えるケースも多く見受けられます。費用の内訳は以下のとおりです。
・撮影費:3万~35万円
・機材費:5万~50万円
・ロケハン費:2万~10万円
・キャスティング費:5万~50万円
・スタジオ利用料:5万〜40万円
・移動費・宿泊費・車両費:6万〜30万円
編集とは、撮影した映像を選定したり、音声やテロップ、グラフィックを加えたりして動画を完成させていく工程です。一般的には、まず素材をおおまかにつなげた仮編集をもとに発注者と打ち合わせを行い、仕上がりイメージの確認を行います。問題がなければ、色味やエフェクト、音響などの細かい調整を行い、動画を完成させていきます。
編集の費用相場は5万~100万円ほどで、動画の種類や長さ、求めるクオリティなどによって異なります。フリー素材のBGM・ナレーションなどを使用する場合はコストを抑えられますが、ナレーターを起用する場合は人選によって人件費も変わってくるでしょう。費用の内訳は以下のとおりです。
・編集費:5万~50万円
・グラフィック費:3万〜50万円
・ナレーション・音響費:3万~30万円
・メディア出力費:5千~3万円
編集後の納品にも費用がかかります。DVDやブルーレイなどに動画を保存して配布する場合などは、10枚ごとに1万円ほどのコストが発生します。
制作費用は動画の種類によって変わるため、依頼したい動画の種類に応じて予算を立てましょう。ここでは、インタビュー動画や商品PR動画、テレビCM用動画などの種類ごとに、動画制作の費用相場を紹介します。
インタビュー動画の費用相場は、5万~10万円ほどです。多くの場合はキャスティング費用やロケハン費用などがかからず、演出や編集なども最低限で済むため、比較的低コストで制作できます。
動画制作は基本的に企画費用が発生しますが、ホームページで公開するものなど、Web用の動画であればそれほど多くの費用がかからない場合があります。撮影と編集だけで完成するものもあるため、企画にどれほどの費用がかかるかによってもコストは異なるでしょう。
ほかにも、スタジオ使用料の有無やカメラ・マイクの数、インタビュアーのスタイリングやメイクの有無、演出の内容などによっても費用は変わります。企画費や人件費などが膨らみ、相場の倍以上の費用がかかるケースも少なくありません。コストを抑えたい場合はインタビュー内容を自社で考えたり、ヘアメイクを自身で行ったりと、できる工程は自社で準備を進めるとよいでしょう。
セミナー・イベント動画は安いものであれば10万円ほどで制作できますが、内容によっては50万円以上になるケースもあります。費用相場に幅があり、内容によってコストが変わりやすい特徴があります。
費用の内訳は撮影をするカメラマンとアシスタントの人件費、機材費、編集費などです。会議室などを貸し切って10名ほどで行う小規模なセミナーであれば、人件費・機材費がそれほどかからないため、10万〜20万円ほどで制作できます。30名〜50名ほどの中規模なものであれば、30万〜40万円ほどが目安となります。
一方、100名を超える大規模なセミナーやイベントは、多くのスタッフを確保しなければならず、50万円以上の費用がかかります。また、動画の長さによっては編集に時間がかかりやすいため、60分以上のものを制作する場合などは納品日に余裕を持って依頼するとよいでしょう。
YouTube向け動画の費用相場は、10万~30万円ほどです。近年は短めの動画が好まれるため、比較的安く制作できます。投稿による配信と動画広告の2種類のアプローチがあり、広告を採用する場合は広告料金も発生します。
5分~10分ほどの短時間で終わるYouTube向け動画は、テロップやカット、効果音などの編集が必要です。動画の途中で広告が表示されてしまい途中から見てもらえないケースもあるため、重要なメッセージは開始から1分半以内に盛り込むといった固有の特徴もあります。ほかの種類の動画にはないノウハウなどが求められる場合が多いので、YouTube動画に特化した企業や、過去に実績がある企業などに依頼するのが望ましいでしょう。
会社紹介・PR動画の費用相場は、20万~100万円ほどです。企画費用だけでなく、動画の内容によってはキャスティング費やスタイリスト・照明アシスタントなどの人件費もかかるため、相場の倍ほどの費用がかかるケースも多く見受けられます。制作目的によって費用に幅があり、視覚的なデザイン性を重視する場合や、特殊な演出をする場合などはコストがかかりやすいでしょう。
ナレーションの有無や映像のクオリティ、アニメーション・CGの有無などによっても費用が変わります。説明会向けの資料など、画像のみを使用したスライドショーであれば10万〜30万円ほどで作成できますが、映像を使用したものであれば100万円前後を目安とするとよいでしょう。
会社紹介・PR動画は目指したい企業イメージを映像に落とし込むことが大切です。動画の質にこだわるほど費用は高くなりますが、ユーザーへ自社のイメージを印象づけやすくなります。
商品・サービス紹介動画の費用相場は30万~100万円ほどです。業界・業種、商材の種類などによって費用が異なります。撮影があまり必要のないものでも、グラフィックや3Dアニメーションなどの編集によってコストがかかる可能性があります。
例えば、サービスやソフトウェアなどの無形商材を紹介する場合、機能や導入事例、解決できる事例などを、画像やアニメーションなどによって紹介します。その場合はキャスティング費や撮影費、人件費などがあまりかからないため、比較的リーズナブルに制作できます。
一方、雑貨や家電など、有形商材を紹介する場合は3Dアニメーションを使用することがあります。高度な技術を必要とするため、100万円以上の費用がかかるケースも少なくありません。スライドショーなどの単価の安いアニメーションを採用する方法もありますが、かえって商品の魅力が伝わりづらくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。
アニメーション動画の費用相場は50万~100万円ほどです。動画の長さによって費用が異なり、1分の動画で70万円ほどが目安となるでしょう。CGなどの特殊技術を用いる場合は高額になりやすく、15秒ほどの3DCG動画で150万円ほどの費用がかかります。
アニメーション動画のメリットは、ビジュアルの訴求力を高められることや、印象的な動画がつくれることです。プロモーションや商品・サービスの紹介、会社紹介などさまざまな用途で用いられており、ターゲット層や配信媒体によっては、実写よりもアニメーションの方が効果的なケースもあります。
日本テレビアートのアニメーション動画制作事例「Good For the Planet #今からスイッチ」
https://www.ntvart.co.jp/
テレビCM用動画は、安いものであれば100万円ほどで制作できますが、内容によっては300万円以上かかることもあります。
費用相場はほかの種類の動画と比べて高く、起用タレントやカメラマン、コピーライターといったキャスティングによってコストが変わりやすいことが特徴です。有名なタレントを起用する場合は、1,000万円以上の費用がかかるケースも少なくありません。加えて、広告代理店への支払い費用や放送料などが発生するため、余裕を持って予算を組むことが大切です。
BGMや画像・映像素材を自社で用意したり、従業員に出演してもらったりすることでコストを削減できますが、かえって動画の質を下げてしまうこともあるので注意が必要です。テレビCMは高画質でクオリティの高い動画が求められるため、プロに依頼して会社として納得ができるものを制作するのが望ましいでしょう。
制作費用は、動画の尺(長さ)によっても変動します。演出方法にもよりますが、実写動画の費用相場は以下のとおりです。
・30秒動画:20万~60万円ほど
・1分動画:40万~100万円ほど
・3分以上の動画:60万円~
一般的に、費用を決める要素は、動画の「尺」と「演出」です。例えば、自社でそろえた素材を使い、テンプレートに沿った短い尺の動画を制作するのであれば費用を抑えやすいです。一方、クオリティの高い映像を用いて、オリジナリティのある長い動画を制作する場合は費用が高額になりやすいでしょう。
ここでは、制作費用を抑えてイメージ通りの動画をつくるコツを紹介します。
自社で準備できるリソースは最大限に活用しましょう。例えば、スタジオを借りるのではなくオフィスで撮影を行えば、スタジオ利用料やロケハン費などを削減できます。キャストを起用せずに従業員に出演してもらうことで、キャスティング費を浮かせる方法もあります。簡単なインタビュー動画などであれば、自社で台本を用意することも可能です。ほかにも、メイクやスタイリング、衣装、ナレーションなどを自社で用意する方法があります。
ただし、費用の削減を優先しすぎると、クオリティの低い動画になってしまうリスクもあります。担当者の意見を聞き、動画の質を保ちながら自社で準備できるものはないか慎重に見極めることが大切です。
BGMや効果音、イラストなどはフリー素材を活用するのも費用を抑える方法です。サウンド制作会社やイラストレーターなどに依頼すると1万〜10万円ほどの費用が発生します。あまりこだわりがない場合は、無料でダウンロードできる素材を探してみてください。
ただし、フリー素材を多用しすぎるとオリジナリティのない動画になってしまう可能性があります。「同じ素材を使っているほかの動画を多く見かける」「ほかの動画に埋もれて印象に残らない」などの失敗につながりかねないため、プロに依頼した素材を使いつつも、部分的にフリー素材を織り交ぜるのがおすすめです。
制作会社によって料金形態が異なるため、あらかじめ複数の会社をピックアップし、相見積もりを取りましょう。最初からひとつの会社に絞ると料金の相場がわからず、提示された金額が適切かどうかを判断しづらいからです。相見積もりを取る会社は、多すぎると比較検討に時間がかかってしまい、少なすぎると適切な金額を判断できません。基本的には3社ほどを目安とし、必ず全て同じ条件で見積もりを依頼することが大切です。
全ての見積書がそろったら、金額だけでなく、担当者との相性や提案の質、過去の実績などを踏まえて総合的に判断しましょう。料金が安いという理由だけで判断せず、「希望を聞いたうえで適切な提案をしてくれるか」「コミュニケーションが取りやすいか」なども考慮し、こちらの意見を汲み取ってイメージ通りの動画を制作してくれる会社に依頼できれば理想的です。
動画制作の費用は、動画の長さや演出方法などによって幅があります。YouTube向け動画やインタビュー動画などは比較的安くつくれますが、テレビCM用動画や特殊技術が必要な3Dアニメーション動画などはコストがかかりやすいでしょう。
素材などを自社でそろえて費用を抑える方法もありますが、質の高い動画を目指すのであれば、全ての工程をプロに任せるのがおすすめです。撮影や編集の技術力が高いため、短期間で質のよい動画を制作できます。デザインにこだわった高クオリティな動画をつくりたい方は、日本テレビアートにぜひご相談ください。
日本テレビアートが培ったノウハウとそこから生まれたサービスの概要、手掛けたデザイン事例を資料にまとめました。ぜひご覧ください。