サイト全体のイメージや自社のブランディングに大きく影響するWebデザイン。そのため、企業によっては高いスキルを持つ外部に依頼することもよくあります。しかし、外注したくても、何を基準にデザイン会社を選べばよいか迷うこともあるでしょう。この記事では、自社に合ったデザイン会社の選び方や完成までの流れを紹介します。
この資料にはデザインをコミュニケーションツール化させるポイントが記載されています。
Webデザインを外注する際は、主に以下の3つの外注先が考えられます。
ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
Web制作会社とは、企業の公式サイトやECサイトなどのWebデザイン制作やWebサイト制作を行っている会社のことです。Web広告制作、Webサイト・SNS運用などWebマーケティングを行っている会社もあります。企画・立案などの上流工程から幅広く業務に関わってくる専属のWebデザイナーも抱えています。
Web制作会社に依頼する場合は、他の依頼先に比べ費用は比較的高めですが、ノウハウを多く蓄積しているので、ハイクオリティな成果物を期待できるというメリットがあります。また、制作は主にチームで行うので、デザイナー個人の突発的な事情で納期が遅れる心配もありません。
Webデザインを外注するには、企業に属さずにデザインの仕事を請け負っているフリーランスの制作者に依頼するという方法もあります。
フリーランスに発注するメリットとしては、デザイナーを直接指名できることです。また、発注者とデザイナーの間に仲介役がいないため費用を節約できる点や、直接やりとりができるためコミュニケーションが取りやすい点が特徴です。
一方で、得意分野や業務領域がデザイナーごとに異なる点には注意が必要です。例えば同じWebデザイナーの肩書きであっても、デザインのみを請け負う場合もあれば、コーディングや企画、マーケティングまで対応してくれる場合もあります。
フリーランスは自己PRとして、実績をまとめた資料である「ポートフォリオ」を持っているのが一般的です。依頼先を検討する際には、ポートフォリオを提出してもらい、過去の実績や業務領域、得意・不得意分野をしっかり確認することが大事です。
クラウドソーシングとは、群衆を意味する「crowd(クラウド)」と、業務委託の意味を持つ「sourcing(ソーシング)」を合わせた言葉で、発注者がWebサイトを通じて不特定多数の人に業務を依頼する形態のことです。主にクラウドソーシング運営企業に発注する方法と、サイトに登録しているデザイナーを直接スカウトする方法があります。
クラウドソーシングを利用すると、他の発注方法と比べて単価を低く抑えられる可能性があります。さらにWeb上だけで受発注が完了できる手軽さもメリットです。
しかし、登録しているデザイナーのスキルにばらつきがあるというデメリットもあります。また、「納期に間に合わない」「作業が難航しそう」などの理由から突然音信不通になるデザイナーが稀にいることも覚えておきましょう。仕事を依頼する際には、これまでの実績に加え、業務の完遂率などもチェックしておくとよいでしょう。
Webデザインの依頼はどのような手順で進めていけばよいのでしょうか。Webデザインの外注は、大きく以下の3つの流れで進めていきます。
希望通りのWebデザインを納品してもらうには、外注先を決める前に「なぜデザインを依頼する必要があるのか」「何を達成したいのか」を明確にする必要があります。Web制作の目的や概要をはっきりさせておくと、その後の進行に迷いやブレが出ることを防げます。
単に自社サイトを持ってみたいというあいまいな目的では、サイトのイメージをデザイナーに伝えきれません。その結果、成果物のクオリティまで低くなり、サイト閲覧者の離脱に繋がる恐れもあります。そのため例えば「トップページへの30代男性の訪問者数を今より120%増やす」「オンラインショッピングの売上額を月商100万円まで伸ばす」「Webからの新規問い合わせ数を月100件にする」など、できるだけ具体的な目標を立てることが必要です。
このとき、同時にデザインのイメージも固めておくと、スムーズな依頼先の選定に繋がります。また、デザイナーにはデザインだけを頼むのか、コーディングなどの作業まで委託するのか、といった依頼する業務範囲も決める必要があります。
目的や制作物のイメージ、依頼する業務範囲が明確になったところで、デザインの発注先の検討に入ります。
各制作会社やデザイナーには得意分野や力量に差があります。必ずポートフォリオなどで過去の実績を確認し、自社のイメージや目的に近いデザイナーに依頼しましょう。ポートフォリオに掲載されている制作物がチームで作成されたものである場合、依頼を検討しているデザイナーが手掛けた部分はどこまでなのか確認しておくことも重要です。
依頼先の決定後、契約を締結し打ち合わせの段階に移ります。最初の打ち合わせは、特に丁寧に依頼の背景やイメージのすりあわせを行いましょう。デザインを依頼する目的やデザインイメージなどが依頼先に十分伝わらないと、その後の進行もうまくいきません。
依頼先の選定は、希望に合うデザインの制作やスムーズに依頼内容を詰めていくためにも重要なポイントです。かかる費用や知名度だけで安易に決定することなく、自社に合った依頼先探しを心がけましょう。
いよいよ制作段階です。実際の制作はデザイナー主体の作業がメインです。発注者は、制作物の方向性にズレが生じたり、完成後に大幅な修正が必要になったりすることを防ぐために、デザイナーと頻繁にイメージのすり合わせを行いましょう。
また、必要に応じて、各作業段階で内容の確認を行い、自社で決定しなければならない画像・テキストなどの準備をする必要もあります。
作業自体に関わらないからといってデザイナー任せにするのではなく、積極的にコミュニケーションを取り円滑な進行を目指すことが成功に繋がります。
依頼した制作物が完成したら、公開前のテストを行います。テストとは設計通りにコンテンツが表示されているか、誤字脱字や文章に矛盾はないか、バナーのリンク先は正しいか、フォームは正しく動作するか、また、複数のデバイスやOSによる表示に問題はないか、などのチェックです。多くの場合、発注者側も公開前の確認として、テストに参加します。
テストで見つかった問題点を解消した後、いよいよサイトを公開します。
サイト運営の目的を達成するためには、公開後はWeb解析ツールを用いて「ユーザー数の推移」や「ユーザー動向」などを随時チェック・分析する必要があります。もし問題点が見つかれば、改善を繰り返しましょう。
依頼先によっては、公開後のサイト更新やWeb解析、サイト改善といったWebマーケティングまでお願いできる場合があります。もし知識や経験が少なく不安な場合は、あらかじめこうした業務も依頼しておくことをおすすめします。
数あるWebデザイン会社からもっとも自社に適した依頼先を選ぶためには、事前に社内で選定基準を決めておくことが重要です。特に以下の3点に注意すると、自社に合ったデザイン会社が選びやすくなります。
各デザイン会社には、得意なテイストや実績のあるジャンルがあります。事前にホームページなどで紹介されている過去の成果物を確認しましょう。
さらに成果物の完成度だけでなく、実際にお客様の満足のいく結果に結びついているのかも重要なチェックポイントのひとつです。お客様の声や口コミを調べてみるのもよいでしょう。また、自社がターゲットとするユーザー目線で見て分かりやすいデザインかどうかも、デザイン会社選びには重要な視点です。
このように様々な角度から成果物を比較し、デザイン会社ごとの得意分野を知ることで、自社のイメージに合った依頼先を見極められます。
Webデザイン会社を選ぶ際には、アフターフォローがしっかりしている会社を選ぶことも大切です。「Web制作」というとサイトの公開がゴールのように思えますが、実は効果的なサイト運営を続けていくためには、公開後の分析・改善が不可欠です。
インターネット社会の現在、ユーザーのニーズや動向は日々変化します。そのため何か問題が生じるたびにデザイン会社に連絡して対応してもらうのは、非常に手間がかかり非効率的です。
デザイン会社の中にはデザインから運用までを一括して行うところもあります。このような会社を選ぶことで、Webマーケティングの知識が少なくても効率よく自社サイトを運営していくことが可能になります。
また、窓口担当者との相性を確認しておくのも重要です。コミュニケーションが取りやすく、急な変更や要望にも柔軟に対応してくれる相手であれば、突然トラブルが起こっても慌てる必要がありません。せっかくお金を払って制作するのであれば、公開後もフォローが受けられ、妥協せずに発注者側の意見を反映させてくれるところを選びましょう。
いくつかの候補から制作を依頼するデザイン会社をひとつに絞りきれない場合、それぞれを比べて相対的に自社にあった会社を選ぶのがよいでしょう。複数の会社から同時に見積もりを取ってみましょう。特に初めての外注やWebデザインの知識があまりない場合は、依頼先を決定する際に相見積もりが有効です。それぞれを比較検討することで、費用やサービス内容、納期の早さなどの相場を判断できます。そのうえで、自社の希望に合った会社選びをしましょう。
Webデザインを外注する際に注意するべきポイントは以下の2点です。
これらの点を疎かにしてしまうと、思ったような成果物が出来上がらず制作に失敗してしまう恐れもあるので気を付けましょう。
Web制作には細かいやりとりや確認作業が必要です。そのため、発注者と制作者はWeb制作に関わるスケジュールを細かく共有することが大切です。もしお互いのスケジュールが合わず作業の確認に逐一時間を取られてしまえば、納期に間に合わなくなるだけでなく、連絡が付かないストレスから関係性の悪化にも繋がりかねません。
ストレスの少ない効率的な進行には、いつまでに何をするのかを明確にすることが重要です。最初の打合せでは目標や予算、希望納期を伝えて全体のすり合わせをしてから、細かいスケジューリングを行いましょう。
期待した通りの成果物を作り上げるには、デザイナーとの打ち合わせ時にできるだけ具体的なイメージを共有することが大切です。
例えば「サイトをかわいい感じにしたい」と言うだけでは、自分のイメージを的確に伝えられません。漠然としたイメージだけを伝えたのでは、人によってその捉え方にばらつきが出るからです。ゆるキャラのようなポップなデザインをかわいいと捉えるデザイナーもいれば、フレンチテイストのナチュラルな雰囲気をイメージするデザイナーもいるでしょう。最悪の場合、想像していたものとかけ離れた成果物が出来上がってしまう恐れもあります。
イメージや目的を共有するときは、できるだけ具体的に伝えるようにしましょう。テイストが近いサイトなど視覚的な見本を準備するのもおすすめです。
費用の相場には幅がありますが、一般的には5万円~80万円ほどと言われています。費用は主に以下の2点に左右されます。
もし発注する内容が、A4で2枚分ほどの下層ページであれば約2万円から対応しているデザイナーもいます。一方でコーポレートサイトのトップページであれば、それだけで10万円以上かかることもあります。サイト内の複数ページを依頼するとなると、さらに費用は上乗せされるでしょう。
またフリーランスのデザイナーのほうが、制作会社よりも安価に依頼できる傾向にあります。ただし先にも述べたように、フリーランスの場合、納期遅れの発生や対応範囲が限定的な場合もあるため、一概に金額だけで依頼先を決めないように注意が必要です。
いずれにしても、発注時に前もって希望金額を提示し、制作が可能かどうかをよく確認しましょう。
一般的に、Webサイトの制作期間は発注後3〜4ヶ月が目安です。しかし期間の長さは、依頼先をどこにするか、どのくらいのボリュームのものを発注するかで大きく異なります。例えば発注するのがランディングページであれば、約1ヶ月もあれば完成しますが、100ページを超えるような大規模サイトの依頼の場合は完成までに1年近く必要なケースもあります。すでに納期が明確に決まっている場合は、依頼先を検討するタイミングで、その納期で対応できるかどうかをまず確認する必要があります。
Webデザインの外注先として、主にWeb制作会社、フリーランス、クラウドソーシングの3種類が挙げられます。
それぞれの外注先にはメリット・デメリットがあり、各会社やデザイナーの得意分野も違います。サイト制作を成功させるには自社に合った外注先を見極めることが重要です。
日本テレビアートは番組サイトや企業のホームページなどを手掛けています。様々な業種からの依頼にも柔軟に対応し、クオリティの高いデザインをスムーズに提供します。Web制作の効果をより高めたい方、高品質な成果物をお望みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
この資料にはデザインをコミュニケーションツール化させるポイントが記載されています。